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―ドドドド…カチ…――
フェンリルはセブンスヘブンの前で止まった。
そして、クラウドは店の扉を開いた。
「…ティファ…??」
いつも居るはずのティファの姿はそこには無い。
静まり返った部屋に響くのはクラウドの低い声のみ。
ゆっくりと歩を進め、カウンターへとやってきたとき、一通の手紙があるのに気が付く。
「………」
クラウドは手紙を開いた。
『クラウド・ストライフ様
本日、貴方の一番大切なものを拝借しに参りました。
理由…私達は貴方を必要としているからでございます。
ティファ・ロックハートをお助けになりたいのなら、旧神羅ビルまでおこしください。
そこで全て明らかになるでしょう。
神羅精鋭兵士開発部統括:ヴィエシス』
「……ティファ…」
クラウドは手紙を破り捨てながら小さく呟いた。
破かれた手紙の破片は、無惨にも床の上へと落ちていく。
暫くしてクラウドは静かにカウンターの椅子に座る。
「…………」
そして、携帯電話を取り出しナンバーを入力した。
―プルル…プル――
受話部分を耳に当てると、すぐに応答があった。
『よぉクラウド!!どうした!?』
電話の相手はバレットのようである。
「…いきなりすまない…ティファがさらわれたんだ…」
相変わらず落ち着いた声で話すクラウド。
『ななな…なんだってー!!!?』
携帯電話が壊れてしまうような大声が受話部分から漏れだす。
「だからバレット、アイツらと一緒にセブンスヘブンに来てくれないか…」
クラウドは携帯電話から耳を離して話す。
『お…おぅ…わかったぜ!!』
「すまない…頼んだ…」
『だけどよ、クラウド、お前変わったなぁ!!』
バレットがまた大声を張り上げる。
「…変わった??」
不思議そうな顔でバレットに返すクラウド。
『まぁとにかく、後20分もすれば皆集まってるだろうからまた後でなぁ!!』
―プツ…ツー…ツー――
電話は相手によって強引に切られた。
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