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チェスターが機関室に着くと、そこにはふてくされたアーチェが立っていた。
「遅いっ!バカチェスター!」
「仕方ねぇだろーが!だいたいお前、機関室なんて一言も言わなかったから探し歩いたじゃねーか!」
「それくらい察しなさいよ、バカチェスター!」
「なんだと…この桃色娘!」
「狐目男!」
…そんなやりとりが数分続いて、疲れたチェスターはさっさと本題に入ることにした。
「んで?なんで、俺を呼んだんだよ」
「このあたしが!アンタのために、アミィちゃんを…」
「アミィが!?どこだどこだ!?」
「話は最後まで聞きなさい!アミィちゃんは用事があって来れないって言って…」
それを聞いた瞬間にチェスターの肩がすとん、と落ちる。
「アミィ…」
「だーかーら!最後まで聞きなさいって!んで、アタシが頼んであげたのよ!」
チェスターはキョトンとする。
「アンタのために、アミィちゃんに『マーボーカレーを作って』って頼んであげたのよ!」
と、自慢げにアーチェが胸を張った。
「…どこにある?」
「ほい、大事に食べなさいよ~?」
アーチェは後ろに置いてあった袋を持つと、チェスターに渡した。
アーチェが手をヒラヒラと振って去ろうとするのをチェスターが引き留めた。
「おい!アーチェ!」
アーチェが止まる。
「…ありがとな」
素直な気持ちをアーチェに伝えた。
アーチェは振り返るとニコッと笑って、去っていった。
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