24人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「…え?」
チェスターさえも驚く、突然の涙。
何故、涙を流したのか。
それはきっと…
「おーい!チェスター!」
アーチェが走ってくる。
「どうだった?美味かった!?」
チェスターは少し考え、うなずいた。
「あぁ…久しぶりのアミィのマーボーカレーだよ…ありがとな…」
「へ?なぁに泣いてんのよ!」
「けっ!泣いてねぇよ!」
強がったが、涙が止まらない。
「ねぇ、チェスター」
「なんだ?」
チェスターが涙を拭いながら訊ねる。
「この戦いが終わったらさ…アミィちゃんに会いに行こうよ!」
「…あぁ!」
アーチェは機関室を大股で出ていく。
先程と同じようにチェスターはアーチェを呼び止める。
「アーチェ!」
アーチェはくるりと振り返ると、目で『何も言わなくていいよ』と語りかけてきた。
チェスターはただ、うなずく。
アーチェもうなずくと機関室を出ていった。
さっき、涙を流した理由…それはアーチェにアミィと近いものを見つけたからじゃないか、とチェスターは思う。
チェスターも機関室を出ようとして、思い出したように心の中でアミィに話しかける。
(アミィ、悪いな。この戦いを終わらせたら、絶対に帰るからな…そんときゃ、アミィのマーボーカレー、楽しみにしてるからな!)
チェスターは微笑むとアーチェを追って、機関室から出ていった。
思い出のマーボーカレー
おしまい
最初のコメントを投稿しよう!