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「鈴木、入ってこい」
何時まで待たせんだよ、と心の中で悪態をついていると担任に呼ばれた
先程まで煩かった生徒達が静かになったため、ガラッとドアを開ける音が教室に響く
コツコツと音を鳴らしながら教壇へと近付いた
「唯一の外部入学生の鈴木渉だ
ちなみに全教科満点」
余計なことを言うなとばかりにギロッと担任を睨む
普段なら顔を真っ青にするであろう鋭い眼光も、今は意味を持たない
「やだー何あれ」
「気持ち悪~」
「なんでマスクなんてしてんの」
あちこちから俺を罵る声が聞こえるが別に気にしない
真っ黒な長くて重たい髪にマスクなんてしてる奴、俺も気持ち悪いと思うしね
『鈴木渉、よろしくするつもりはない』
人との関わりは面倒臭いだけだ
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