プロローグ

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最後に、妹が折り紙をいれた。 居間で一生懸命折っていたのを、私は知っている。 お棺に蓋がされた。 顔の小窓はあいたままである。 金槌が回され一人2、3かいずつ釘の頭を叩いて蓋を固定していく。 私に回ってきたのは、最後の方だった。 最後におばあちゃんの長男がもう一度釘を叩いて蓋が完全に固定された。 そして顔の小窓も閉められようとする。 泣き声がより一層大きくなった。 おばあちゃんの顔は、ただれて、そのまま固まってしまっている。 そして遂に、その小窓さえも閉められた。 業者の人がお棺を抱え、おもてに運びだしていく。 外には焼香をしにきた人がたくさん、たくさんいた。 人望が厚い人だった。
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