60人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
「人は皆誰もが欲望を胸に宿して生きている。それはこの私も例外ではないことは認めよう。
だがその汚さは個人によって異なっている。
例を出すなら、オマエがあの時星を救いたいと思った欲望は美しい、人間にとって必要となるものだった。
しかし、オマエが此処へ辿り着くまでの間戦ってきた者たちはどうだ?
皆自己の欲望を満たす為だけに世界を、オマエたちを巻き添えにしていた。
まさか、それまで美しいと言えるのか。それまで必要だと確信を持って言えるのか。
……そんな訳がない。だからこそ私は、私の最後の力をもって世界を浄化する。
前者のような欲望だけを抱き、後者のような欲望だけを棄てた世界を。
だが……どうしてオマエは私を止めようとする?
オマエも私の気持ちが解るはずだ、少年!
……私に残された時間は既に限られている。支配者として、最後の勤めを果たさせてくれ!
世界の為に、この星の為に、俺が俺で在る為に!
そして──俺の大切なモノ、彼女の笑顔を最期まで守る為に!」
最初のコメントを投稿しよう!