-My nihilistic impression.

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 少年は、自分自身に期待するという行為の意義を見失っていた。  そんなことをしても無駄だと、とっくの昔に諦めていた。  絶望、失望。  だが彼の心は折れていない。  何故ならば、それら全てを受け入れてしまっており、納得してしまっているからだ。  開き直った、そういう表現でも間違いではない。  ともかく無気力であった。  白い半袖のカッターシャツと黒い学ランのズボン。  彼の名は虚川 疾─ウロカワ カゼ─。  自他共に認める、何の才能もないただの少年だ。
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