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堂々巡りの考えを途中で打ち切り、彼女は左足だけを曲げ、同じ方向の腕でそれを抱えた。
黒いワンピースの裾が風でヒラヒラ波打っても、今此処には他の誰もいないのだから気にすることはない。
「ギギェ フェマ バジャジンジロベデガム ジャレ センスズリジュギェム バジャジ ゼロデガム」
独特な言語を発し、彼女はその右手に持っていたパチンコ玉の様な物をピッと投げた。
放物線を描き、風に煽られ、空気の抵抗を受け、それは灰色の建造物の窓ガラスを貫く。
「さあ、人間よ。私に生者必滅の理をもたらせ」
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