それは突然、薮から棒に

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さて、それから暇だった。 取りあえずソファーで読みかけの本など読んでみる。 半分ほどゆっくり読んで、私は時計を見た。 10時。 少し小腹が空いて、キッチンを探してパンを見つけそれをかじる。 もうこんな時間になるというのに、奴らは現れない。 いやいやよそう。 奴らのことを考えると無駄に腹が立ってくる。 こんなことで苛立たされるのはゴメンだ。 そして私はテレビを付け、他愛ないバラエティー番組を楽しんだ。 11時半。 妻が帰ってきてしまったではないか。 呆れ返った顔をして見ている。 当然だろう。 奴らはまだ、来ていなかったんだから。 「あなた、何かお召し上がりになったのなら、包みはゴミ箱に入れて食べこぼしくらい拭いておいて下さらないと」 あ、そっちですか。 済みません。 .
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