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季節は梅雨に入って、奈津佳はとうとう輝に告白するという。
笑顔で見送るあたし。
醜いなぁ…。
「矢沢」
後ろを振り向くと輝が立っていた。
「あ、相原くんっ?」
「輝でいいよ。蒼以のこと蒼以って呼んでるのに相原くんて…」
輝はそういって語尾を濁した。
しばらく沈黙があった。
この状況はまずいんじゃ…。
「矢沢」
「あ、相原くん!じゃなかっ…輝!」
あたしは輝の会話を遮っていった。
「奈津佳に会わなかった?奈津佳、輝のこと探してたよ…」
「会わなかったけど…」
「たぶんそこらへんにいるから!ね?探してきてよ」
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