小さな恋

5/17
前へ
/81ページ
次へ
季節は梅雨に入って、奈津佳はとうとう輝に告白するという。 笑顔で見送るあたし。 醜いなぁ…。 「矢沢」 後ろを振り向くと輝が立っていた。 「あ、相原くんっ?」 「輝でいいよ。蒼以のこと蒼以って呼んでるのに相原くんて…」 輝はそういって語尾を濁した。 しばらく沈黙があった。 この状況はまずいんじゃ…。 「矢沢」 「あ、相原くん!じゃなかっ…輝!」 あたしは輝の会話を遮っていった。 「奈津佳に会わなかった?奈津佳、輝のこと探してたよ…」 「会わなかったけど…」 「たぶんそこらへんにいるから!ね?探してきてよ」
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加