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「しょうがないよ、お兄ちゃんという存在が私の視力が低下させるもとなの。だから、消えた方がいいでしょ?」
いつのまにか読心術を覚えたらしい妹が、俺の頭を踏んづけたまま言う。
俺は枕に顔を埋もらせながら、濁る声で言った。
「それって俺が醜い容姿って言いたいの?そんなので君の視力は低下するんだ、へぇ~」
グググっと、俺の頭を踏みつける足に力が入った。
俺は息ができない位に枕に押し付けられて…ってあれ?意識が……
このままでは俺が窒息死しかねないので、というかただでさえ高くない鼻が凄く可哀想な事になるので、
俺を軽蔑するような目で見下げているであろう妹に言った。
「かふぁいいかふぁいい妹はま、ほのひれいなあふぃほおどふぇくらさい」
「何いってるかわかんねぇよ、タコ。」
極寒-20℃の冷徹な言葉の刃が俺に突き刺さった。
何て言うのは嘘のような本当のような。
なんだか言われなれてるせいか、もう涙も出てこない。
すると、妹が俺を踏んでいた足をどけて、スタスタと扉の方へ歩いていく音が聞こえた。
俺は確実に赤くなっている鼻を手でさすりながら、ゆっくりと起き上がった。
すると妹は扉の前でピタッ……と止まって俺の方に振り向いた。
「あぁ、勘違いしないでね?お兄ちゃん。私の足がお兄ちゃんの腐った頭のせいで汚れないためにどけただけだからっ♪」
そう言い残してスキップしながら妹は階段を降りていった。
どうしてこうも俺は嫌われているのだろうか。
俺は少し涙目になりつつ、布団からでて生暖かい床に足をつけた。
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