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「由良……にぃ…?」
ひょこっとあらわれたのは、俺の身長の3分の1程度しかない栗毛の男の子だった。
まぁ、俺の弟なんだが。
眠たげに目を擦りながら、扉のまえに立っている俺の方へちょこちょことその短い歩幅で歩いてきた。
そして俺の目の前まで歩いてくるとそのまま倒れるように俺に抱きついてきた。
兄の俺が言うのもなんだが、ほんっとうに かわいい!!
フワフワの栗毛に薄い茶色の瞳、仔犬のように俺にすり寄る様子は、
本当に俺の弟なのだろうか、と思うほどにかわいらしかった。
同性愛好趣味はまったくないので、いけない禁断衝動に駆られることはないが……兄弟愛でもないからな?
「由良にぃ~…」
すりよってくる弟の髪を撫でながら、俺は朝の一時の幸福にひたっていた。
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