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「えー・・・本日は・・・・おねぇさまが・・ご冥福?あ?あー・・・・ご検討?いやいや・・・・あー・・・こんなときなんていうんだっけ?」
「旦那、別にかしこまらなくていいですぜ?ありがとうございやした」
傘をたたみ、線香と菊の匂いの香るろうそくだけの灯った暗い部屋の中に入った銀時に、喪主にしては幼い少年は、珍しく改まって頭を下げた。
「いや、悪ぃな。こんな時間外れでょ」
たしかに、銀時が訪ねてきたのはもう日付が変わろうとしていたときだった。
こんな時間に葬式などやるわけは無いと知りながら尋ねてきたのだろうか・・・・?
「寝てたらどうするつもりだったんですかぃ?」
睡眠をむさぼってておかしくは無い時間だったのだから。
「あー?なんとなく?いや、ちょっと飲んでて思い出したから。悪いな。お陰で香典これな」
ほいっと日本酒の一升瓶を渡してくる。
「通夜ってのは面倒だよなぁ、夜通し起きて火を消さねぇように番をしながら生前の故人を偲ぶからそういうんだってなー・・・。」
「旦那、通夜はとっくに終わってますぜ?」
一升瓶を抱えながら、可笑しそうに総悟が笑う。
「そうだっけ?ま、いーじゃん。飲もうじゃねぇ
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