『コノ月夜二狂イ咲ク桜ノ下デ光ヲ待ツ』

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貴女は今何してます?僕は空を見上げてます。 空は月の綺麗な夜で辺りには桜咲いています。 『なぜ僕は此処にいるのでしょう?』 肌寒さ残る春の夜に、家着のまま外へ飛び出して、来るはずもない光を待ち、虚しさに折れて家路に着きます。 今僕は桜を見上げては、またここにいるなとため息、来るはずもない光を待ち、今日も同じこと繰り返します。 風の音でさえ期待を持ってしまいます。違うと解ってても期待を持ってしまいます。 言えば楽になるのに…。 そう、気付いてたのです。自分の世界で作った自分中心に造られた物語のような出来事を期待していること。 そう、気付いてたのです。現実の世界で創られているこの物語とはまた別でそう思い通りにはいかないこと。 それでも零ではない可能性を信じて此処にいるんだと。
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