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入口を入ったすぐ右側のドアには、[寮監室]と書かれたプレートが下げられている。 ガチャッ そのドアをノックもなしに躊躇せず開けて、中へ入っていく。 もちろん俺の手を掴んだまま。 相「寮ーかーん!!」 相葉先生がそう叫ぶと、奥から1人の爽やかそうな男性が出て来た。 「相葉先生ですか。そちらはもしかして..」 と、俺を見るその人。 バッチリと目が合ったため、急いで挨拶をする。 『あ、あの!初めまして。今日からお世話になる神崎由紀です。よろしくお願いします。』 そう言うと、ペコリとお辞儀をした。 「相葉先生とは違って、随分と礼儀正しいね」 そう微笑みながらチラッと相葉先生を見たあと、また話し出した。 「私は牧といいます。こちらこそよろしくね」 そうにっこり笑いかけながら手を差し延べられ、握手を交わす。 『はい!』 なんだか優しい雰囲気が嬉しくて、俺も笑顔で返事をする。 あぁ、こんな笑顔を向けられたのはいつぶりだろう。 そう考えると自然と顔が曇っていく。 .
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