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同じく顔見知りで、それなりに男前な甲斐に抱きつき、ご満悦の様子である彼女は、鼻歌を歌いながらコーヒーをいれて、ふたりに差し出した。
「今日はラッキー、甲斐クンと因幡クンが来てくれるなんて~。」
「俺も、西郷さんみたいな綺麗な方に抱きついてもらえるなんて嬉しかったですよ。」
「も~、上手なんだから、甲斐クンったら!
あ、そういえば、あの馬鹿どうしてる?」
物のついでのように、西郷は言った。
「あの馬鹿?」
甲斐が聞き返す。
「あのバカ文よ。
あの馬鹿、最近ちっとも顔出さないのよ。
お世話になった先輩にぐらい、菓子折り持って来なさいよ…全く。」
「バカ文…。」
甲斐はう~んと頭をひねらせると、因幡が小声で言った。
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