5580人が本棚に入れています
本棚に追加
白い動物はまた大きな雄叫びを上げた
それに気づき離れようとしたが、白い動物は体を半分捻り右前足で切りかかってきた
「痛って~!!」
蓮は右に大きく避けようとしたが白い動物のほうが少し速く、蓮の左太ももを切り裂き血がポタポタと地面に落ちた
傷はそんなに深くはないが、さっきのような動きはもうできそうにない。
「 クソー!!今日はなんでこんなついてないんだよ」
白い動物はもう弱りきった獲物を追い詰めていくように、ゆっくりと近づいてくる
蓮は木の枝を杖代わりに大きな木の周りを必死で逃げた
「誰か助けてくれー!」
蓮は誰かが助けてくれないかと出せる限りの大声で何度も叫ぶが誰も来てくれない
叫びながら木の丁度半周したくらいだろうか、その辺りで何かに躓い(つまづい)て蓮は倒れた…
「 クソーなんだよ‥…看板?」
そこには古びた看板が倒れていた、看板は文字の部分が錆びて所々読めないが
【この 剣抜きし 王 】
読める所だけ読み、剣と言う単語だけを確認して蓮は慌てて周りを見渡した
最初のコメントを投稿しよう!