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「そういえば晃太の進路は聞いてないけど、どうするって?」
「晃太はサッカーの推薦で県外の大学行くんだって」
「えっ!?そしたら遠距離恋愛になるの?」
和泉は黙って頷いた。
「…寂しくないの?」
私の問いに、和泉は優しく微笑んだ。
「寂しくないって言ったら嘘になるけど、晃太のやりたい事だもん。見守っていたいんだ。
それに、帰ってこれる時は帰ってくるって言ってたし。私も行ける時は行くしね」
そう言う和泉の顔は、とても凛々しかった。
きっとこれまでの時間の積み重ねが、遠距離恋愛になっても大丈夫な絆を作っていったんだろうね。
…私も鼓とそんな関係になりたいな。
「そういえばお兄ちゃんも夏休み帰ってくるって言ってたや。晃太もそうやって休みの時に帰ってくるんだろうね」
「当麻先輩帰ってくるんだ。先輩は紗智と伊能先輩の事知ってるの?」
「まだ言ってないよ」
弥生の問いに、私は首を振った。
そういえばどっちが早く恋人作るか賭けをしてたし、早くに教えとかなきゃかな?
でも何か恥ずかしいんだよね。
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