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「伊能先輩とケンカにならなきゃいいけどね~。
『大事な妹を!』って」
和泉がニヤニヤしながら言う。
「まさか~。そんな事ないでしょ」
「わからないわよー」
「和泉まで止めてよー!」
私達は大声で笑い合った。
だけど周りの視線に気付いて、今度はちょっと声を落として話を続けた。
「話戻すけど、紗智の夏休みの予定は?やっぱり伊能先輩と一緒にいるんだよね?」
「それがさ、鼓は八月始めまでテストで、それから夏休み何だけど、それもバイト三昧で殆んど休み無いんだよね」
「あれっ?それなら紗智の誕生日は?」
和泉の言う通り、私の誕生日は八月にある。八月八日。
「それもどうなるか判らないよ」
あっ。自分で言っててちょっとブルーになってきた。
それに気付いた和泉が、私の頭を優しく撫でながら声をかけてくれた。
「じゃあ私達で紗智の誕生日お祝い出来るね。
もし先輩が休みを取れたら、別の日にお祝いしてもいいし」
「そうだね!楽しみにしててよ!」
「和泉~。弥生~。ありがとー!!」
私は嬉しくなって二人に抱きついた。
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