見つめるべき現実

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重い空気の中で私は彼女のお見舞いの為に買った物を渡した。果物である林檎、蜜柑を買ったのを渡したのだった。何も口を開く事もほとんど出来ず、 「果物を買ってきた。良かったら、食べて。」 とだけ私は言った。それしか今は言えなかった。すると、彼女は私が何も言わない事に対して辛く思ったのか、彼女が先に口を開いた。 「私のしている飾りの事について話したよね。」 彼女は辛い顔をしながら、続けて話した。 「この飾りの名前を前にも話したと思うけど、名前を“ヒト”と言うの…。」 私はこの時、ハッとした。この忘れていた飾りの名前を“ヒト”という事を今、思い出したのだ! 今になってはこの“ヒト”の名前を忘れる事は出来ないだろう。前にも言ったが、反吐が出る位に憎らしい名前だ。 彼女はこの後も話を続けた…。
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