02:いつか、また

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転生というものが存在するなら。叶うなら、またママとパパの下に生まれたい。 転生なんてない確率のが圧倒的に大きい。仮に願いが叶ったとしても、確実に覚えていないだろう。 それでも。ママのくれた言葉は、私に温かな充足感を与えてくれた。私は生まれてよかったんだ。 ごめんなさいママ。生まれたことを後悔しちゃって。 「……わっ」 体が光っている。それが何を意味するのかは、考えずとも直感的に解った。 私は成仏するんだ。 後悔がない、と言えば嘘だ。海のようにある。でも、それはどうしようもない。 「い……ずみ……?」 「……え?」 ママが目を見開いて私を見ている。見えてるの……? なんで……? いや、そんなことはどうだっていい。時間はない。なんとなくわかる。 その間に出来ること……一言何か喋る程度。 決まっていた。 謝罪でも、お別れの言葉でもない。 ただほんの短い一言。 「ありがとう……」 もし、最後にたった一言伝えられるなら……感謝を伝えると。 私を生んでくれて有難う。 私を育ててくれて有難う。 そして。 私を愛してくれてありがとう。いつか、また。 そんな万感の想いを、ありがとうに籠めて。 完全に消えてしまう間際、霞みゆく視界の中、ママの顔が少し綻んでいたような気がした。  
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