路上に咲く花

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どうして 傷つきながら歩くの? 君は誰の手も取らないで 路上に咲く花の様に 強くたくましくなりたい そう言いながら涙に暮れた どうして 冬は訪れるのだろう? ずっと温かいままでもいいのに でも温かいままだと それに慣れてしまうから 人の手の温もりに 気づく事もないから ある時 路上に咲く一輪の花を目にした 強く儚くて すぐにでも 潰されてしまいそうで でも それでも 何より必死に生きていた ある時 そんな路上の花を 花壇へと移そうと想った けなげで疑う事を知らなくて 傷つく事にも慣れてしまって でも それでも 笑顔を忘れずに生きていた そして 僕はただその場で 見守る事を選んだ... どうして 冬は誰にでも 厳しいのだろう? 一時でいいから その一瞬でいいから 路上の花を温めてあげて下さい その花がもうこれ以上 傷つく事がないように...    
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