Real.

harmonica.

幼い頃に買った
ハーモニカを吹いてみた
おもった音がでなくて
すぐに諦めた
そう言えば
あの時もこんな感じだったな

銀色に輝く新品の
ハーモニカを手に持ち
どこへ行くにもずっとずっと
一緒だったっけな
道端で立ち止まっては
思いっきり吹いてみた
公園でブランコ乗っては
揺れながら吹いていた

音色奏でられないハーモニカ
僕はそれがずっと好きだった
世界で一つの僕のハーモニカ
いつか素敵な音
響かせると信じていた

あれだけ毎日吹いていた
ハーモニカはいつしか
僕の手から離れ
おもちゃ箱の奥へと隠れた
おもった音が出なくて
吹くことに飽きてしまって
他のおもちゃを手にして
その存在を忘れていた

音色奏でられないハーモニカ
僕はそれがずっと好きだった
世界で一つの僕のハーモニカ
いくら探しても
同じものはどこにもない

ある時久しぶりに
おもちゃ箱覗いたら
ずっとずっと奥で
埃にまみれてたハーモニカ
歳を重ねて
人を好きになる事覚えて
難しい恋に
途中で諦める事もあった...

そんな事思い出しながらもう
一度吹いてみた
思った音はやっぱり出ないけど
何度も吹いてみた
そしたら涙溢れて
ハーモニカが雫で濡れて
それでも僕はずっとずっと
吹き続けていた

音色奏でられないハーモニカ
僕はずっとこれからも
忘れないだろう
世界で一つの僕のハーモニカ
あの時は諦めてしまったけど
いつか僕だけの音色
響かせてみせるよ...