軽薄な月

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サヨナラの一言に 静かに泣き崩れていく彼女 震える その小さな体で 一体今までどれほどの想いを 抱えていてくれたのだろう 好きであり続ける事は 難しい... 人はそんな事を簡単に 口にするけど それなら 残された人は どうすればいいの? なんて事を前に言われて 俺は何も言えずに 戸惑っていた だけど それは今も変わらない きっと あの時と同じ事を言われたら 戸惑ってしまう 俺にはもう 目の前の涙を 拭ってやる事さえ出来ないから   どうか 好きであり続けられますように このままいつまでも... そう何度も 月に祈っていた 幾度となく姿を変え続ける あの 軽薄な月に... 涙で濡れた彼女の瞳に 月がぼんやりと 映っては 消えていく...    
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