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200X年、12月。
学校は冬休みに入り、世間はクリスマス一色に染まる中、中嶋由衣は自宅で受験勉強に明け暮れていた。
高校受験を控えていた由衣は、両親とある約束を交わしていた。
「もしも、由衣が高校に合格できたら、欲しい物を1つ買ってあげようか。」
「ホントに?…じゃあ、高校に合格したら携帯を買ってくれる?」
由衣の答えに両親は快く約束をしてくれた。
「わかった。じゃあ、由衣が高校に合格したら携帯を買ってあげよう。」
「やった!パパ、約束だよ!」
由衣が机に向かって勉強していると、部屋をノックする音が聞こえた。
コンコン…
「由衣?開けるわよ?」
そう言ってドアを開けたのは由衣の母親だった。
母親は由衣が勉強している机に近付くと、由衣の邪魔にならないように、夜食のサンドイッチを机に置いた。
「由衣、ここに食事を置いておくからね。…それと、あんまり無理しないでね。」
「ママ、ありがとう。」
母親はそう言って由衣の部屋を出ていった。
由衣は早速、母親の持ってきたサンドイッチを一口食べた。
(ふう…もう少しやったら今日はもう終わりにしようかな。)
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