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由衣はキリのいいところでペンを置いた。
そして、椅子の背もたれに寄りかかりながら、大きく伸びた。
由衣は溜め息混じりに息をはくと、サンドイッチを食べながら、明日の試験の準備を始めた。
(…忘れ物は…ないかな。筆記用具と…受験票と…)
由衣は何度もカバンの中身をチェックし直した。
(これで大丈夫。)
由衣はカバンを机の上に置いて、ベッドに入り眠りについた。
試験当日―
その日は朝から雨が降っていた。
由衣はいつもより早く目覚めて、試験会場に向かう準備をしていた。
「ママ、おはよう。」
リビングに行くと、母親が朝食の準備をしていた。
「おはよう。由衣、いよいよ試験日ね。緊張し過ぎて頭が真っ白にならないように頑張ってね。」
母親の言葉に、由衣は笑顔で返事をした。
朝食を済ませた由衣は、緊張でじっとしていられないせいか、予定より早く家を出る事にした。
「じゃあ、行ってきます。」
「気を付けてね。精一杯頑張ってくるんだよ。」
「ありがとう。ママ。」
「合格できたら、約束通り買ってやるからな。」
「約束だよ。パパ。」
両親に見送られて、由衣は試験会場に向かった。
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