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「由衣、おはよう!」
由衣が道を歩いていると、後ろから由衣を呼ぶ声が聞こえた。
由衣が振り返ると、友達の雄山恭子が由衣の元へと駆け寄ってきていた。
「おはよう!いよいよ試験日だね。恭子は、昨日はよく眠れた?」
すると、恭子は首を横にふった。
「全然!なんか緊張しちゃって、ベッドで目を閉じてても中々眠れなかったよ。由衣は…平気そうだよね。」
恭子が冗談混じりで言うと、由衣は笑いながら答えた。
「アハハ。うん。しっかり睡眠もとったから大丈夫だよ。それに、パパとの約束もあるから、絶対に合格するんだ。」
「そうだったね。合格したら念願の携帯ゲットだね!それにしても、今どき珍しいよね。まだ携帯持ってないなんて。」
2人はそんな会話をしながら、試験会場の高校へと向かった。
高校に着くと、試験を受けにきた他校の生徒たちが学校内へと入っていった。
2人は、学校に着いた途端に、緊張のせいからか会話がなくなっていた。
校舎の中に入ると、試験官が誘導をしていた。
「受験番号1番から80番の生徒は1階、81番から…」
由衣の番号は72番、そして恭子の番号は82番だった。
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