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「ねえミーアちゃん……強くなるってどうしたらいいのかな……?」
街道を歩いている途中、たずねるウィルバー。
「そうだな。力をつけて、武器とか使えるようになって……。怪我したくないなら、鎧とか着れるようになるのもいいかもしれん」
「鎧……」
つぶやくウィルバー。きょろきょろと辺りを見回し、また視線をミーアに戻す。
「どこにあるの?」
「ふむ……欲しいか?」
「うん!」
「なら、これをやろう」
そう言うと、ミーアはおもむろに服を脱ぎ始めた。ウィルバーは驚いて、おたおたしている。その間に一番上の服を脱ぎ終わったミーアは、ウィルバーにそれを手渡した。
「これをくれてやろう。丈夫に編んである服だ」
「えっえっ、でもこれミーアちゃんの……」
「いいんだ、あたしには必要のないものだ。魔法は離れていても届くからな。前の人を盾に……前の人に守ってもらうさ」
「えと……ありがとう」
渡されたその服を、きゅ、と抱きしめその優しさに感謝する。
「あの……ミーアちゃん」
「うん?なんだウィルバー」
「僕きっと強くなって……前でミーアちゃんを守るよ」
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