72人が本棚に入れています
本棚に追加
一通り説明を終えると、リリーは腕を下ろした。
「と、まあこんな感じかな。他に、何か聞きたい事はある?」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございました!」
グランは軽く頭を下げてお辞儀をした。
「別にいいわよ。先輩としては当然よ。それじゃあ、あたしは行くわ」
じゃあね、と言ってリリーは出口へ歩いていった。
(リリー先輩……か)
グランはリリーの出て行った扉を見つめていた。
「……次、行かないの?」
今まで何も言わなかったキャリナがいきなり口を開いた。
「ああ、ごめん。次に行こうか」
二人は出口に向かい、探検を続けた。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
適当に詮索していたら、二人は生徒の寮に着いてしまった。
グランは街の中に寮を持っているから、ここに来る必要はないが……。
「確かここは、食堂とも繋がっているんだったよな」
グランが一人、呟く。
「どうせだから、何か食べていかない?」
キャリナの返事もなしに、二人は食堂に入る。
最初のコメントを投稿しよう!