72人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわ……」
扉を開いた瞬間、グランは目を疑った。
受け付けに並ぶ長蛇の列が、グランの目に入った。
どうやら満席のようだ。
「でも……中に来ちゃったし、とりあえず並ぼうか」
二人は列の最後尾に付いた。
そして待つこと数分。
意外と進みが早く、あっという間に食事にありつけた。
しかしテーブルが空いていない。
グランはどこか空かないか、端っこから食事内を見渡す。
すると、近くから。
「おーい! 良かったらここ座りなよー!」
ざわざわしててイマイチ聞き取りにくかったが、確実に誰かが呼んだ気がした。
もう一度食堂を見ると、壁際の席の二人の女子生徒の一人がこちらに手を振っていた。
グランはゆっくりと、二人に近寄る。
手を振っていなかった生徒は、もう一人の生徒に、何やら注意をしているようだ。
「あの……俺達を呼んでくれたの?」
グランは手を振っていた女子生徒を見て聞いた。
見た感じ、二人共一年生のようだ。
「あなた達以外にいないわよ。ここに座っていいよ」
金髪の、少しおちゃらけている女子生徒が空いている二つの席を勧める。
最初のコメントを投稿しよう!