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「えっ、でも……」
確かにそれは嬉しいが、自分のわがままに先輩を巻き込むには、気が引ける。
まあ、一応マリーも先輩ではあるのだが。
「そのかわり、今回行く場所は普段私がお世話になってる酒場。それでもいいなら、連れていってあげるわ」
リリーがこう言い、ウインクをする。
それを聞いていたイングリドとヘルミーナがリリーに集まる。
「先生、お出かけですか?」
グランはこの言葉で、更に申し訳ない気持ちになった。
しかし、リリーは目線をイングリドに合わせ、微笑む。
「今日はすぐ帰ってくるわ。だから、お留守番宜しくね」
しばらく沈黙が続いたが、イングリドは小さく頷くと、笑顔を見せた。
「先生、お土産期待してます!」
ヘルミーナが言うと、リリーは笑う。
「もう、しょうがないわね。ちゃんと持ってくるから、頼むわよ」
さ、行きましょう、とグランとキャリナに告げると、リリーはスタスタと歩きだした。
「行ってらっしゃーい!」
「気をつけて下さいねー!」
こんな見送りに、キャリナは微笑んだ。
「良い子達ですね」
キャリナの言葉に、リリーは力強く頷いた。
「うん。可愛い、自慢の生徒だからね♪」
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