異国の剣士と、マナを操る錬金術士

24/32
前へ
/120ページ
次へ
「えっ、でも……」 確かにそれは嬉しいが、自分のわがままに先輩を巻き込むには、気が引ける。 まあ、一応マリーも先輩ではあるのだが。 「そのかわり、今回行く場所は普段私がお世話になってる酒場。それでもいいなら、連れていってあげるわ」 リリーがこう言い、ウインクをする。 それを聞いていたイングリドとヘルミーナがリリーに集まる。 「先生、お出かけですか?」 グランはこの言葉で、更に申し訳ない気持ちになった。 しかし、リリーは目線をイングリドに合わせ、微笑む。 「今日はすぐ帰ってくるわ。だから、お留守番宜しくね」 しばらく沈黙が続いたが、イングリドは小さく頷くと、笑顔を見せた。 「先生、お土産期待してます!」 ヘルミーナが言うと、リリーは笑う。 「もう、しょうがないわね。ちゃんと持ってくるから、頼むわよ」 さ、行きましょう、とグランとキャリナに告げると、リリーはスタスタと歩きだした。 「行ってらっしゃーい!」 「気をつけて下さいねー!」 こんな見送りに、キャリナは微笑んだ。 「良い子達ですね」 キャリナの言葉に、リリーは力強く頷いた。 「うん。可愛い、自慢の生徒だからね♪」 △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加