異国の剣士と、マナを操る錬金術士

26/32
前へ
/120ページ
次へ
ハインツと呼ばれたマスターは、その瓶を受け取り、しばらく眺める。 そして一息。 「さすが姉さんだな、これはしっかり先方に渡しておくよ。ほら、報酬だ」 ハインツは瓶を丁寧にカウンターの下にしまうと、報酬を取り出した。 ざっと、1500コールぐらいか。 リリーもそれを受け取り、金額を確認すると、財布の中にしまった。 「で、なんの用だ姉さん。今日は酒でも飲みにきたのか?」 それを聞いて、グランは不快な気持ちになる。 明らかな学生に酒を勧める。 所詮酒場は酒場だ。 しかし、リリーは全く気にする事なく、笑う。 「いやいや違うよぉ、今日は友達を連れて来たの」 そう言ってから、リリーはグランとキャリナ、二人を前に出す。 「姉さんの友達なら、安心だ。わしはハインツ。この金の麦亭のマスターだ」 「え……えっと、初めまして、グランです……こっちがキャリナ」 何が安心なのか知らないが、とりあえず自己紹介をしておく。 かなり豪快な人だな……と、少し威圧におされながら思う。 それが終わると同時、店の扉が勢い良く開かれた。 店内にいた人間全員が、ふとそちらを見る。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加