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ハインツと呼ばれたマスターは、その瓶を受け取り、しばらく眺める。
そして一息。
「さすが姉さんだな、これはしっかり先方に渡しておくよ。ほら、報酬だ」
ハインツは瓶を丁寧にカウンターの下にしまうと、報酬を取り出した。
ざっと、1500コールぐらいか。
リリーもそれを受け取り、金額を確認すると、財布の中にしまった。
「で、なんの用だ姉さん。今日は酒でも飲みにきたのか?」
それを聞いて、グランは不快な気持ちになる。
明らかな学生に酒を勧める。
所詮酒場は酒場だ。
しかし、リリーは全く気にする事なく、笑う。
「いやいや違うよぉ、今日は友達を連れて来たの」
そう言ってから、リリーはグランとキャリナ、二人を前に出す。
「姉さんの友達なら、安心だ。わしはハインツ。この金の麦亭のマスターだ」
「え……えっと、初めまして、グランです……こっちがキャリナ」
何が安心なのか知らないが、とりあえず自己紹介をしておく。
かなり豪快な人だな……と、少し威圧におされながら思う。
それが終わると同時、店の扉が勢い良く開かれた。
店内にいた人間全員が、ふとそちらを見る。
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