異国の剣士と、マナを操る錬金術士

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ふと隣を見ると、キャリナの姿が無かった。 辺りを見渡すと、酒場の奥の樽の前でボーッとしていた。 そして一言。 「……たる」 こう、呟いた。 △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△ 「剣の修業?」 場所は変わって。 ヴィオラーデンに買い物に来たグランとキャリナは、店長のヴィオと話をしていた。 キャリナは錬金窯の前の椅子に腰掛けている。 レジの前で人参をかじりながら、ヴィオはグランの話を聞いていた。 「うん、学園だと戦闘学の課題もあるし、剣の腕もないとね」 人参の選別をしながら、グランは口を開く。 今はまだ錬金術の授業しか行っていないが、マリーやリリーの話を聞く限り、戦闘に関する授業や課題も少なくないらしい。 まあ、本音はキャリナの護衛が出来るくらいの力は欲しいだけなのだが。 その時、何か思い付いたかのようにヴィオが突然顔を上げた。 「それならお兄ちゃんに頼んだらいいんじゃない? ここら辺だと腕が立つらしいよ」 「お兄さんにか……」 というかお兄さんも剣を使えるのか。 全く知らなかった。
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