錬金術師の卵

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「マリー先輩、大声出して遠くの人を呼ぶなんて失礼ですよ」 マリーと呼んだ一人の生徒が、注意をする。 「ありがとう、俺達を呼んでくれて。俺はグラン・ツィオネーゼ。こっちの女の子がキャリナ」 今度は自分から自己紹介できたと、グランは一人満足な気分になる。 「グラン? あたしはマルローネ」 金髪の生徒が笑って言った。 マルローネでマリー……か。 それに続き、隣にいた茶髪の真面目な雰囲気を醸し出す女子生徒が口を開く。 「私はエルフィール。エリー、って呼んで」 グランは頷いてから、少し疑問を持った。 「……マリー先輩ですか?」 さっきエリーの言っていた事が本当なら、大変失礼だと改めて思った。 「あ、いいよいいよ別に~。あたし、確かに先輩だけど留年しちゃってさ。また一年生やり直しなんだよ~」 なんだか大変な事をサラリと言われた気がする。 キャリナはすでに食事を済ませ、片付けをしている。 カレーライスの大盛りを頼んでいたようだが、一体この華奢な体のどこに入ったんだろうか。 グランはマリーに質問をしてみる。
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