異国の剣士と、マナを操る錬金術士

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△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△ 夜。 グランは今日の出来事を纏める為、ランプを点け机と向き合う。 テオは剣を扱う冒険者という事で、グランが剣について学ぶには丁度良い人だ。 だが、もし余裕があるようなら剣術以外も学んでみたい、という気持ちもある。 (とにかく、今は強くなりたいっていうのが一番かな) グランは後ろのベッドで既に就寝しているキャリナを見る。 グランの中途半端な剣術より、マナを扱った魔法攻撃の方が今は強い。 それに遅れを取る訳にはいかない。 「明日から稽古だな……」 小さく呟き、開いていたノートを閉じ、ランプを消した。 △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△ 「くそ、こっちくるなぁぁぁぁあああああああ!!」 「待てー! 今日は絶対捕まえるよー!」 次の日の朝は、こんな叫び声から始まった。 「またやってるのか、あの姉弟は……」 毎朝、エトがエナを見付けると追いかけ回すというのが恒例と化している風景を見て溜め息をつく。 広い中庭だからいいものの、校内でこんな事されればたまったものじゃない。
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