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「二年生って事は、リリー先輩と一緒ですか?」
一緒、という表現も変だと思うが、マリーはしっかりと理解してくれる。
「リリーを知ってるの? あいつも先輩って呼ばれるようになったんだね~」
実際、マリーも先輩に値するのだが、自覚していないようだ。
グランも食べ終わり、食器を端に寄せる。
「ほらマリー先輩、まだ調合課題を終えてないんですから、寮に戻りましょう」
エリーは立ち上がり、マリーを引っ張る。
「えー、ちょっとくらいいいじゃん、お喋りしたって~」
マリーは駄々をこねて、再び椅子に座る。
「ダメです! いつもそうやって逃げるんですから!」
「わ、分かったわよ! 自分で歩くから……グラン、キャリナ! 良かったらあたし達の寮に遊びにきてね~!」
エリーに袖を引っ張られながら、マリーは食堂を出て行った。
「……どっちが先輩か分からないな」
グランはあんな二人を見て小さく笑う。
キャリナはデザートを食している。
「……本気で、どこに入るんだ?」
「別腹……」
キャリナは少し嬉しそうに言った。
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