錬金術師の卵

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「はいみんな静かにー! これから入学式を始めるから、ちゃんと並んで下さ~い!」 金髪の、何やらおっとりした教師が入学式の説明を始めた。 生徒達は静かに列を作る。 グランも適当な場所に割り込み、教師の話を聞いていた。 が、説明は数分で終わってしまい、ステージから降りていった。 すると、それと入れ違いに、少し年のいった太り気味の男性教師と、不機嫌そうな顔つきの女の女性教師がステージに立った。 太り気味の男が、どうやら校長らしい。 「えー、皆さん、入学、おめでとう!」 なんてありきたりな言葉から始まった入学式。 聞いている生徒は少なく、他の生徒同士で話してる姿がチラホラ見える。 「……ふぁ~」 グランはあくびをして、軽く俯く感じになり、目を閉じた。 △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△ 「最後になりました。皆さん、本当に入学おめでとう!」 グランはこの言葉が耳に入ってきて目を覚ます。 立ったまま寝るという器用な事ができたのは自分自身でも驚いていた。 生徒は列を組んだまま、講堂を後にする。 校長は女性教師…多分、教頭だろうと思われる人物と話し合いをしているのがチラリと見えた。
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