錬金術師の卵

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場所は変わって。 教室。 グランは玄関前に貼られた地図を頼りに、自分の教室へたどり着いた。 席は真ん中の列の一番後ろ。 グランは大人しく席に着き、辺りを見渡した。 何の変哲も無い教室だ。 生徒は友達を作る為か、積極的に話し掛ける生徒も多い。 その時、グランの後ろから、声が聞こえる。 「こんにちわ!」 「うぉあ!」 いきなりの出来事で、グランは体を飛び上がらせ、慌てて振り向いた。 「あ、ごめんなさい。驚かせるつもりはなかったの」 グランに声を掛けた女子生徒は、少し落ち込んで俯いた。 その女子生徒の隣には、男子生徒が立っている。 「フィロ、いきなり後ろから声を掛けたら、誰だって驚くよ」 のんびりとした、落ち着いた生徒だ。 「き、君達は……?」 グランは焦りの表情を見せながらも、二人に聞いた。 「うん、初めまして。僕はヴェイン。ヴェイン・アウレオルスだよ」 ニッコリ微笑んで答えてくれた。
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