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「キャリナ……」
まさか答えてくれた。
グランはその言葉で、なぜか心が落ち着いた。
「……キャリナ、君も、錬金術師に?」
グランはキャリナと言った生徒に聞いてみた。
キャリナはゆっくりと頷き、再び外を見始めた。
それきり、会話は途絶えてしまう。
「…………」
よく分からないが、関わらない方がいいのか?
(不機嫌そうだしな……)
グランはそうやって自分を認めさせた。
「……とりあえず、こんな所だね。明日からはすぐに授業があるから、遅れないように! では、解散!」
ゼップルはそう言うと、何のために持ってきたのか、道具をまとめて教室を出て行った。
全く話を聞いていなかったが、明日から授業がある、というのは分かった。
グランはもう一度、キャリナに声を掛ける。
「キャリナ、この後暇?」
まだ外を見てたキャリナに近付く。
「……この後に予定は無いわ」
「なら、今から俺と学園内を探検しないか?」
探検なんてガキっぽいとは思うが、グランにはこれしか表現方法が分からなかった。
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