27人が本棚に入れています
本棚に追加
「君の方が子供っぽい。」
カズの言葉に美知流はむくれた。
「ど~せウチは子供ですよ。最初に言うたん取り消す!親しみなんかぜ~ったいわかへん!」
「別にわいてくれなくて結構ですぅ。」
「なっ…、かっわいくなーい!そんなんやったら彼女出来ひんのんちゃいますぅ?」
「俺はかわいくなくても、かっこいいからいいんです。君はその性格直さないと彼氏出来ひんのちゃうか?」
「大きなお世話です!」
「や~い、ガキ。」
「う~~~っ!」
カズと美知流が喧嘩しているのを見、本城が仲裁に入る。
「美知流、喧嘩するんじゃないよ~。」
「だってぇ…。」
「美知流はいい子だって。コイツ、まだ美知流と会ったばかりで美知流の良さが解ってないんだよ。許してやってよ。」
「…本城さんがそう言うなら……。」
「美知流ちゃん、許してくれるって。ほらカズ、謝っとけ。」
タクが言う。
「ちょ!ちょっと~、なんで俺が謝んなきゃいけないんですか。いじめられたの、俺の方ですよ?」
「なによ!カズさんが色気ないとか言うから悪いんでしょー!いじめられたのウチの方やん!」
「そんなこと言うてないやろ?ちょっと“子供っぽい”って言うただけやん。」
「それが悪いって言ってんですっ。ウチのデリケートな心はキズだらけやわ。」
「“バリケード”の間違いちゃうん?」
「ひ、ひど~い!そこまで言う?本城さぁん、カズさんがいじめる~。え~ん。」
美知流が本城に顔を埋めて泣き真似をし、それを見た亮やミノル達がカズを責めた。
「あ~あ、泣いちゃった。」
「謝れよ、カズ。」
「そうだ、そうだ。謝れ。」
みんなに責められたカズは、しどろもどろになった。
「泣きたいのはこっちですよ。なんで俺が……。」
「カ~ズ~。」
みんながカズを睨む。
「あ~もうっ、わかりましたよ。……言い過ぎました。すいません。」
カズは仕方ないといった感じで腹を決めるとそう言って頭を下げ、美知流は本城にチロッと舌を出してウインクした。
「カズ!今度美知流をいじめたら、俺が許さないからな?」
「「許さないからな?」」
本城が言うと、亮とミノルも声を揃えた。
「わかりましたよ。」
カズは不機嫌そうに答え、武田と宮本は呆れ顔で見合った。
「……でも、この人誰なんやろ?迷惑やな~。早く捕まえてくださいね?」
「任せときな。俺達が必ず捕まえてやるから。」
最初のコメントを投稿しよう!