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「あ~クソッ、美知流ちゃんじゃないって事だけでもハッキリしたらいいんだけどな…。」
タクが頭をかきながら言う。
「ウチがどうかしました?」
話をしているところへ、後ろから美知流が顔を出した。
「わっ、美知流!いつの間に!?」
本城が驚いて振り返る。
「やっと東京に帰ってきたんで、1番に挨拶しようと思って来たんですけど、気付いてくれないし難しい顔して話してるんやもん。」
美知流はふくれてみせる。
「あ、そうだ。カズ、彼女を見てみろ。」
ミノルがカズを美知流の前に出す。
「あれ?その人新しい人?ウチ、本庄美知流です♪よろしく♪」
美知流が挨拶をする。
「あのさ、俺と会ってない?」
「え?」
突然訊かれ驚く美知流。
「さぁ……日本はせまいからどっかで会ってるかも知れんけど、記憶にないですねぇ。それよりカズさんでしたっけ?ひょっとして関西にいてました?」
「え?あ、ああ。」
「やっぱり?関西弁訛りあるもん♪なんか親しみわくわぁ♪」
美知流は久しぶりにみんなに会えた嬉しさもあり、ニコニコ顔だ。
「昨日の晩に帰ってきたんですよ。はい、コレ♪手ぶらじゃなんだしと思って、地酒。どれが美味しいかわかんないから適当に買ってきたけど。」
そう言って、酒の瓶が入った袋を机の上に置くと、本城達は喜んでその酒を見比べ始め、カズは本城達と話をする美知流をまじまじと見ていた。
「カズ、どうだ?」
ミノルがカズに訊く。
「…違う。この子じゃない。モンタージュの女の方が、もっとこう…色気がありましたよ。」
カズの言葉に美知流が反応し、カズの方を向いた。
「カズさん、今モンタージュがどうとかって聞こえましたけど?」
「美知流さん、夕べ10時頃どこにいました?」
ミノルが美知流に訊くと、みんなが美知流に注目する。
「10時頃?えっと……多分コンビニじゃないかなぁ?昨日8時過ぎに家に戻ってきて、それから家の片付けしてて…お腹空いたんでコンビニに晩御飯買いに行ったのがそのくらいだったかと。何かあったんですか?」
美知流が訊くので、本城は事件のことを話し、モンタージュを見せた。
「…驚いた。自分で見てもよう似てますね。世の中には3人似た人がいるって言うけど。…ん?ちょっとカズさん、さっきこのモンタージュの人の方がもっと色気があったって言ってましたよねぇ?それって、ウチに色気がないってことですか?(-_-;)」
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