Spell.01【神の裁きと人の咎め】

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○宿屋・ビサイドの部屋(朝) ベッドで目を覚ますビサイド……寝ぼけ眼のまま、ベッドから降りる。 けだるい顔のビサイド、テーブルの上の飲みかけのワインを飲み干す。 ノックの音。 店主の声「お客様がお見えですが、こちらにお通ししてよろしいでしょうか?」 ビサイド「どうぞ」 ドアが開き、ジョーカー(33)が入ってくる。 ジョーカー「おはようございます」 ビサイド「……」 不機嫌そうな顔でジョーカーを一瞥するビサイド、対面に座れとテーブルを軽く叩く。 ゆっくりとビサイドの対面に座るジョーカー。 ビサイド「どうして私の居場所が分かる」 ジョーカー「情報通ですから」 微笑するジョーカー。 ジョーカー「どうですか? サモンセグメントの集まり具合は?」 ビサイド「まだふたつ……」 ジョーカー「まぁ、焦らずやりましょう」 ビサイド「しかし、あんなもので本当に魔神を召喚させることができるのか?」 ジョーカー「確証はありませんが、可能性はあります」 ビサイド「その不確かな可能性に時間を費やす価値があるのか?」 ジョーカー「なら、やめますか?」 ビサイド「……」 ジョーカー「あなたですよ……この国を滅ぼしたいとおっしゃったのは」 ビサイド「まぁ、いい……利用できるものは利用させてもらう」 ジョーカー「……」 失笑するジョーカー。 ビサイド「可笑しいか?」 ジョーカー「あ、いえ……」 口をつぐむジョーカー。 ビサイド「……用はそれだけか?」 ジョーカー「まさか……セグメントの情報をつかんだので報告にきたんですよ」 ビサイド「……」 ジョーカー「キャスタの村に行ってみてください」 ビサイド「キャスタの村……ちょうど行こうと思っていた……葡萄酒が旨いと評判だからな」 ジョーカー「酒はほどほどにしたほうがよろしいんじゃありませんか……また呪文が失敗して、とんでもないことに……」 ビサイド「……」 × × × ―フラッシュ。 黒い竜に噛み殺されるビサイド。 × × × ビサイド「……分かっている」 憮然とするビサイド。
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