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「なんか……、本当に支配人なんだな……」
目の前で起きた事について行けず、混乱する頭を鎮める。
「正式には一条が支配人なんだけどね」
有人が苦笑を浮かべ、廊下を歩き出す。
「じゃあ何でテメェが命令出来てんだ?」
そう問掛け、首を傾げれば、有人がおかしそうに笑い始めた。
「俺が買い取ったから」
さらっと言う有人に恐怖を覚え、身震いをした。
「有人様、お部屋のご用意が出来ました」
小人が有人の服の裾を引き、有人が微笑む。
「謝謝、お疲れ様。もう下がって良いよ」
その言葉に、小人は嬉しそうに頬を染め乍、店先に駆けて行った。
「可愛いな、あいつ」
小人の後ろ姿を見つめ、呟けば、有人が盛大に笑い出した。
「グフッ、アハハハハ!!!!能は馬鹿?小人は男の子だし!」
キャラ変わって無いか?と思い乍、告げられた真実に嘆いた。
「あー、面白い。取り敢えず入ろう」
有人がゆっくり扉を開ければ、寝台に見目麗しい少女が座っていて、此方を見ていた。
「おかえりなさい、有人兄様」
「ただいま、有想【ヨウシアン】」
どうやら彼女は有人の兄妹らしい。同じように長い銀髪と紫の瞳、其れが証明していた。
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