遊戯

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 今この空間には、俺一人しかいない。ちっぽけな“能”と言う人物が独り、存在しているだけ。  考えれば考える程、虚しく成り、唯煙草の紫煙を眺めた。 「世界は広いな」  こんな場所で怖がっているようじゃ、もっと深い場所で怖がる猫に失礼な気がして、立ち上がり、灰皿に煙草を押し付ける。 「行くか……」  これ以上有人を待たせるのも又、失礼だからな。
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