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例えば、クラス内で誰か一人殺してください、なんてことが起きたとしよう。 その時に、無言でみんなに指を指されるのが俺だ。 余計な反発もしないし、いてもいなくても同じ存在。 いきなり教室で心臓麻痺を起こし、死んでも、誰も気づかない。 そんな悲しい存在。 それが俺だった。 クラスでは、1日声を発する機会がないこともある。 傷もの扱いをされている毎日。 ふと、いじめられている人が羨ましくなったときがある。 彼らは、人と交わうことができている。 例え、それがいかに最悪な手段だったとしても。 彼らは、周りの人間に「人」として認識されているのだ。 いかに、いじめっ子が「こいつは屑だゴミだ」と言っても、内心では人間と認識されているのだ。 だが、俺はどうだろうか? 人と交わらず、ただ息を吸って吐いている。 俺と観葉植物の違いはなんなのか? 二酸化炭素を吸い、酸素を吐き出している観葉植物のほうが有益だ。 そこが俺と観葉植物の違いだ。 なら、この二酸化炭素を吐き出す物体は、何なのだろうか? 結局、答えなんか出ない。 だって、俺は頭が悪いのだから。 考えるだけ無駄なのだ。 でも、考えずにはいられない。 人生という時間は、何もない俺には長すぎるのだから。
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