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「今から魔力放出してみるわ」  答えが出たのか、太郎はあっさりと言い放つ。 「はっ? 何?」  太郎の左手は昭仁の鳩尾へ。  太郎は再び俯き、大声で自身に渇を入れる。 「いくぞっ!」 「待て! 危なくないかそれ!?」  昭仁の言葉は耳に届かず、太郎は小さく右足で一歩踏み込んだ。  その瞬間、体中に激烈な衝撃の波が押し寄せ、昭仁は悲鳴に近い大声を上げる。  それはまるで、台風の日に吹き荒ぶ突風のようだった。  次いで、鳩尾から背中を貫く強烈な圧迫感。  圧迫感と言っても、確かに何かが体を突き抜ける、吐き気を伴った奇妙な感触がある。 「か、っは……。んぐ」  昭仁は意識が飛びそうになるのを確と堪え、歯を食いしばった。 「これが魔力だ! 体で覚えろ!」  太郎は昭仁の様子に目もくれず、魔力の放出を続けた。 「……ぐ、ぐ」  昭仁は目を強く瞑り、表情からは血の気が引いて行く。
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