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「そうか……では、これは?」  リッキーがそう言うと、生暖かい感触はずるずると昭仁から身を引く。  そして次に現れたのは、内側から広がる心地良い感触だった。 「ん……。なんか落ち着きます。さっきとは広がり方が違う……?」 「うん、そうか。それが君の魔力だよ」 「え……?」  昭仁は目を開き、相変わらずの笑顔を浮かべるリッキーを見つめた。 「魔力と言うものを体に馴染ませ、ゆっくりと引き出した。一回で出来るとは思わなかったが、まあ才能って事にしよう」  状況が飲み込めていないのか、昭仁は自分の手足を確認する。 「えっと、でも、リッキー先生のとは随分魔力の印象が違いましたが」 「それは生まれつきだ。良い魔力を持ったな」  何時の間にか、昭仁の魔力は手応えを失っており、昭仁は内心がっかりする。  リッキーはそんな事には気付ずく筈も無く、昭仁の肩から手を引いた。  それに合わせ、昭仁の身を包んでいた魔力も、徐々に感じられなくなってしまった。
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