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「では、今日は帰りなさい。時間も時間だからね」  昭仁が周りを見渡すと、窓の外には暗い色が溢れ、時計は六時半を過ぎていた。  既に義明らの姿は無く、実験室にいるのは五人だけだ。 「うちの部は六時までだ。覚えておきなさい」 「……はい。わかりました」  昭仁は小さく頷いた。 「じゃあ。みんな帰ろう」  リッキーの言葉で五人は実験室を後にする。  昭仁だけはただ一度だけ、名残のあるように振り返った。 「大丈夫。練習したかったら自由に来てもらって構わないよ」 「あ、ありがとうございます」  昭仁がリッキーに頭を下げると、太郎が昭仁に声を掛ける 「これからもよろしくな、神原」 「……ん。一言いいか?」  笑顔を浮かべる太郎に、昭仁は冷ややかな視線を向ける。 「なんだ?」 「……全っ然違うじゃないか! お前のとリッキー先生の!」 「う、うるせーな! さっきはいいよ、って言ってたじゃねえか!」  ……  二人は口論を続ける。その後、リッキーを除いた四人は、それぞれの帰路についた。
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