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 ……  授業を受け、知識を身に付ける。  朝の体育教師が、突然体育の時間に走り込みの数を増やしたのは、昭仁の所為である。  昼休みを挟み、午後の授業もとうとう終わりのチャイムで締めくくられる。  ついに昭仁の待ち望んだ放課後がやってきたのだ。 「さてと、行くか?」  太郎の問いに、昭仁と愛子の二人は頷いた。  早速カバンを手に理科実験室へと向う三人。  階段を登り、実験室の扉を開けると、そこには机にうつ伏せている武と、佳祐が二人並んで座っていた。 「ああ三人共。良く来たね」  佳祐はにこり、と微笑み、三人は三様の挨拶を返す。 「二人は魔力の基礎からだね?」 「いえ、私は」  愛子は胸元から焦げたメモ用紙を取り出し、先程のように点火した。 「火なら出来るんですよ!」 「……素晴らしい。才能があるのかも知れないね。水晶は緑色だし」  佳祐の言葉に、愛子は満面の笑顔を浮かべる。
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