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「あは、そう言って貰えると嬉しいです!」  佳祐と愛子は話に花を咲かせる。その様子を面白くなさそうに見つめていた昭仁は、太郎に肩を叩かれた。 「目つき悪いぞ」 「……ごめん」 「伊丹先輩! うちらは先に“自由平原”行ってますね!」 「ん? ああ、行ってらっしゃい」  昭仁は昨日と同じく、太郎に手を引かれて歩いた。  準備室の戸をくぐると、一瞬視界が暗転し、次には一面の草原が広がっていた。 「うおぉ……。み、峰。自由平原て?」 「ここの事。自由に練習出来るからな」  なるほど。と昭仁が頷くと、太郎は昭仁の肩に手を置いた。 「松井の事は気にすんな。あいつはただの天才だ」 「……きっついなぁ」 「ほら、リラックスしろ」 「座っていい?」  太郎は黙って頷く。 「……」  左足を引き、膝を衝く。  その後右足を畳み込んで正座になると、膝に手を置き、黙想の姿勢をとった。
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